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車も自転車も電動化真っ只中
シマノ105までもが電動シフトになった。
(スラムは105と同クラスのRIVALが、結構前に電動化してたけど)
ディスクブレーキと同様に、普及は時間の問題。
が、しかし機械式が劣っているわけでもなんでもない。
むしろ、ギアやカムの動きはメーカーのノウハウが詰まっていて、中身を見ると感動する
シマノは簡単に中を覗けないけど、スラムやカンパは中身のパーツを自分で交換できたりする。
中でもスラム ダブルタップの構造はステキ。
シフトアップもダウンも、レバーを倒す方向は同じなのに、リアディレイラーを左右に動かす。
しかも、1本のレバーで。
この動作に、強烈な興味が注がれて購入。
やはりそこには、超絶シンプルパーツで構成された、設計者の鏡のようなパーツがあった。
電動シフトなら、この感動は得られない。
機能性重視に偏りすぎると、それがたのしいかどうかを忘れがち。
趣味はたのしさを最優先にしなくてはならない。
スラムのしびれる構造
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レバー1本で2つの動き
シマノやカンパは買う前から操作方法を想像できるけど、スラムだけは実際使うまで想像できなかった。
まず、頭の中をよぎるのは、
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シフトミスをするのではないか?
使ってみてわかったのは、手の動きとして一番自然だということ。
手の動作はシマノと同じ。
- シフトアップは、レバーを小さく動かす
- シフトダウンは、レバーを大きく動かす
それも、操作する指のポジションを変える必要がない。
超苦しいときに、どっちのレバーを操作するか考える必要がない。
実際に、シマノだっていちいち考えてレバーを押してはいないけど、操作としては押す場所を変える必要がある。
レーシングパーツとして考えた場合、この差は大きい。
しかも、レバーの押し心地、音がいかにも変速している感じがして気持ちいい。
このへんは、車のマニュアルシフト操作に近いものがある。
楽な電動(オートマ)を選んでも、たのしいとは限らない。
飽きないカムの動き
からくり人形のような仕掛けで、リアディレイラーを動かすスラム ダブルタップ。
動画を見ても、一瞬で理解できるとはいえない。
でも、非常にシンプルであることは明らか。
- ギアが一つ
- 爪が二つ
- バネ
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画面上の爪が、相棒の下の爪の動きコントロールしてる感じ
![](https://english-bike.com/wp-content/uploads/imgs/0715f8f1.jpg)
下の爪が、ギアの位置を決めていて、そのギアを動かしているのが上の爪とも言える
画面上の爪なんか、惚れ惚れする動き。
シフトダウンするときは、相棒の下の爪の上をすり抜ける。
これを考えついたスラムはすごい。
電動シフトでは、味わえないこの感動。
スラムシフト?
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スラム自体つけている人が少ないので、当然このシフト操作方法も知る人は少ない。
下ハンをもってスプリントに入る前に、レバーを手前に寄せておく。
スプリントしてスピードが上がった時に、空走距離なくシフトアップできる。
正直、すげー便利というわけじゃない。
だけど、ここまで考えてるところに感動する。
たしかに、レバーを手前に寄せてもシフトレバーがヨレたりせず、しっかり変速できる。
カンパは、同じ位置にあるレバーはシフトダウン用のレバーだけど、めっちゃヨレる。
(カンパが、レバーを手前に引いても操作できるとは言ってないけど)
考えつくされた形
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小さく握りやすい
パーツ点数の少なさからなのか、ブラケットは小ぶり。
こぶりだけど、人差し指から小指まで、すっぽりブラケットの下に入れられるから握りやすい。
ブラケット先端も適切な突起サイズで、すっぽ抜けることもない。
昔、シマノは部品を小型化するのに、だいぶ苦労しているのように見えた。
ブラケットの根元を細くするために、巻き取りの機械部分を先端に移動させたりして、レバー先端が巨大化し、見た目が「え?」なんてときもあった。
でもスラムは初期モデルから小さい
パーツ点数の少なさは、全体を小さくするのに有利。
機構部品として、いかにパーツを少なく作るかは永遠のテーマ。
これを見事に達成しているのがスラム ダブルタップ。
大きく操作しやすい
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指で押す部分の面積が広くて、非常にシフトしやすい。
シマノとカンパのデザインは、1本のレバーかのように見えるデザインになってる。
まず、そこからコンセプトが違う。
どうしても、ブレーキレバーとなじむように、シフトレバーを小さくする必要がある。
見た目がいいというか、デュアルコントロールレバーじゃないノーマルレバーに近づけたかったのかもしれない。
ところが、スラムは違う。
「これはシフトレバーです」とモロに主張してる
指2本でも操作できる大きさがある。
べつに1本に見せる必要はないわけだから、理にかなってる。
シマノやカンパは、当然デュアルコントロールレバー登場前からの老舗ブランド。
だからこそ、原型のノーマルレバーに近づけたかったのかもしれない。
その時代の消費者に、受け入れられるために。
そういった発想のないスラムが行き着いたデザインだから、動作と形がマッチしてる。
せり出したブレーキレバー
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ハンドルから、大きくはみ出てる。
いまでは当たり前だけど、スラム ダブルタップ以前は違った。
ハンドルと並行が美しかった。
カンパはいまでもハンドルと並行を貫いている。
でも、手首や腕の動きを考えると、ハンドルからはみ出ていたほうが自然。
STIも発売当初から、若干外側にレバーが傾いていたけど、バレないように少しだけって感じだった。
ところが、スラムは
このほうがブレーキ握りやすいでしょ
という、わかりやすいデザイン。
いまではSTIも同じようなデザインになってる。
スラムは、デュアルコントロールレバーのデザインに一石を投じた。
関連記事>>>【フレアハンドル】にぎれば病みつき【リッチー comp venturemax (コンプベンチャーマックス)】
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弱点も楽しい
![](https://english-bike.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_20221015_101907-1-1024x682.jpg)
まるごし
メカ部が丸出し。
これについては、もうちょっとなんとかしてほしい。
フードをめくれば、もうワイヤーを巻き取るギアが見える。
一応、プラスチックカバーはあるけど握る為のもので、内部を守る的なものじゃない。
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ホコリや、泥が入り放題
その代わり、すぐ掃除できるけど。
むき出しだからね。
砂に激弱
シクロクロスではしばしば砂地が現れる。
ハンドルが取られて、転倒もめずらしくない。
でもスラム ダブルタップをつけて、砂地で転倒してはいけない。
速攻で砂がギアに噛み込み、シフト不可能になる。
この理由で、スラムをやめようと思ったひともいるかもしれない。
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そのくらい、ただ砂で転んだだけで動かなくなる衝撃的な事実
それでも、スラムをやめないのは楽しい機械だから。
趣味ならでは選択。
高い
はっきり言って、シマノよりも性能としては劣ってる。
なのに、高い。
だから、スラムが好きじゃないと付ける理由がない。
でも、やっぱりおもしろいほうがいい。
家電で例えるなら、
べつに8Kの超高画質な映像を求めてるわけじゃない。
そこそこ良い画質で、リビングに置いてもカッコいいテレビのほうがほしい。
でも、メーカーは8Kを宣伝して付加価値の高いものを高く売りたい。
その宣伝も激しい。
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なんか、8Kのほうがいいような気がする
で、購入。
で、8Kで見るのはバラエティ番組。
自転車もこれと全く同じ構図。
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まとめ
スラムのしびれる構造
考えた設計者はすごい
考えつくされた形
機能美を感じる
弱点も楽しい
致命傷はあるけど、それを上回るたのしさがある
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