ピストなんて、あぶないよー
固定ギアで道路を走るなんて、ありえないでしょー
すでにロードバイクに乗っている人なら、特にそう思うかもしれない。
でも、一度ピストを体験してしまったら、病みつきになる。
路面との一体感
体の一部のような感覚
固定ギアの加速感は、非常に独特。
ロードバイクなら当たり前のフリーギア、変速機、チェーンの屈曲が力をロスさせていることがはっきりわかる。
固定ギアでは通常1/8という厚いギア板と太いチェーンを使用する。
おそらく、この影響も大きい。
自分の力が、ロスなく推進力にかわっていくダイレクト感を、桁違いに味わうことができる。
この魅力に気付いてしまうと、やってみたくなるのがピストでロングライド。
性質上、どうしても勾配が長い登りがあるコースは取り入れられない。
だから快適に走れるコースが決まってくるので、普段は短いコースだけ。
そこで、一人イベントとしてやってみたかったのが「ピストでロングライド」。
選んだコースは、長野県麻績村周辺のアルプス展望道路。
文字通り、アルプスが一望できる。
イベントの日は4月。
残雪の北アルプスは、異国のような景色で感動する。
さらに、あまりお目にかかれないほど長いアップダウンが続くコース。
惰性を利用して、登りを攻略していくのがおもしろいピストにぴったりのコース。
ヒルクライムを入れれば、信号がないコースは珍しくない。
ところが、これだけ長いアップダウンと信号なしのコースは珍しい。
何度か通ってるけど、気が付かなかったカフェにも寄り道。
遠方から走りに来ても、きっと満足できる。(駐車場の候補)
なぜ固定ギアに乗るのか
ピストの先入観
ピスト=危ない
この先入観を持っている人は多い。
実にモッタイナイ。
危ないと想像しているのは、きっとこう。
1.足が止められない
もし、足を止めてはいけないことを忘れて止めてしまったら、たしかに怖い思いをする。
でも、意外にもそれはすぐに慣れる。
例えるなら、補助輪を外す前と後
2.すぐに止まれない?
ブレーキを付ければすぐに止まれる。
特にロードバイクと変るところはない。
というか、ブレーキは付けなきゃいけない。
こんな先入観だけで、ピストの魅力を感じずに自転車人生を終えるのはモッタイナイ。
- クランクから伝わる路面との一体感
- 直結ならではの、ダイレクトなペダリングフィール
- ギアと斜度がマッチしたときのスピード感
ロードバイクに乗っているだけでは、絶対に感じることはできない。
バリバリのピストバイクなら、直接ブレーキはつけられない。
ブレーキ取付用のねじ穴がないから。
でも、このキットを使うことで取り付けが可能になる。
ブレーキさえあれば、ピストで安全に道路を走れる。
ペダリングがたのしい
ロードバイクに乗っているとき、何が楽しく感じられるか。
- ママチャリとは違う軽さ
- 風が気持ちいい
- スピード感
次第に慣れてきて、どこが楽しいかと言う漠然とした質問に答えにくくなる
でも、ピストならすぐ答えられる。
「ペダリング」
これは固定ギアだからに他ならない。
ロードバイクには、駆動を伝達させるのにロスとなる条件が多数ある。
- 変速機
- フリーハブ
- チェーンの屈曲
これらのロスがないピストバイクは、ダイレクトに力を伝達できる。
しかも、モロに体感できるレベルで。
これに気づくのは、ピストからロードバイクに乗り換えたとき。
力が逃げているのがよくわかる。
ダイレクトであることは、おもしろいに直結する。
Simple is best
前後の変速機もなく、デュアルコントロールレバーもない。
強烈なほどにシンプルなルックス。
自転車の原点に帰ったような見た目はシンプルで美しい。
飽きない。
自転車と言えばママチャリだったけど、ロードバイクを見たときに得た感動。
カゴがない。
スタンドがない。
荷台もない。
シンプルでかっこいい。
その究極がピスト。
ロードバイクに見慣れてしまうと、ピストのシンプルさに感動する。
関連記事>>>ピストバイクのススメ…効率のいいペダリングの為に
独特な装備
世界が広がる手動四段変速
フロント2枚、リア両歯。
2×2=4段変速。
気になるギア
- フロント:44T・42T
- リア:13T・17T
コンクリート舗装の強烈な急こう配の農道とかじゃなければ、大体行ける。
平地のチームトレーニングもギリギリ行ける。
登りの手前で42×17にするため、リアホイールをひっくり返す。
フロントは、チェーンを42Tに手で掛け変える。
難しくはないけど、めんどくさい。
でも、だいぶ走りやすくなる。
だったら、はじめからロードに乗ればいいんじゃね?
こう思うかもしれない。
でも、ここまでしてピストで走るということは、それだけおもしろいから
手動変速ツール
リアホイールを外す時や、チェーンホイールを掛け変えるとき、チェーンをさわらなくてはいけない。
手で触るのがいやだから、S字フックを持ち歩いてる。
ピストのレース会場では、同じことをスパナでやってるけど、S字フックの方がやりやすい。
(S字フックが汚くなるので、シートピラーにくくり付けてる)
こまかいことだけど、快適な走りにするためには大事なこと。
クイックレリーズ化
固定ギアのハブは通常ナット締め。
クリックレリーズに慣れてしまっているから、チョーめんどくさい。
意外にもロードバイクと、扱いが大きく違うところはココ。
足が止められないことではない
ナットのままだと、スパナを持ち歩く羽目になる。
わすれたら、パンクした時にアウト。
たまにピストに乗る程度なら、絶対にわすれる。
最大のメリットはギアチェンジが、簡単になること。
- スパナがいらない
- ねじをグルグル回す必要がない
- ギアチェンジをためらわなくなる
ということは、快適に固定ギアの感覚を楽しめるようになる。
関連記事>>>【ピストバイク】クイックレリーズ化で快適ピスト生活【自転車の基本はトラック】
固定ギアロングライドは格別だった
面白くなるアップダウン
選んだコースは長野県北部の「アルプス展望道路」。
走っている最中、ずっと北アルプスが見えているんじゃないかってぐらいよく見える。
これほどまでに、山脈が広がって見えるところはないんじゃないかと思うぐらい。
(わかんないけど)
とにかく、綺麗で壮大な景色なことは間違いない。
残雪の景色を楽しみながら、寒くないの4月を選択
間違いなかった。
快晴の中、展望道路に突入。
いきなりアルプスが見えてくる。
途中には、展望ポイントもある。
(何台か駐車場もある)
ピストで走るアップダウンは、おもしろい。
- ロスがない固定ギアだから、加速がすごい
- スピードの落ち方が緩やか
- 上死点、下死点をスムースに通過するように意識してペダリングすると、なかなかスピードが落ちない
まるで、自分が速くなったような感覚になる。
関連記事>>>【固定ギア】ピストで100km乗っちゃうピスト好きがすすめる最初の一台
カフェに寄り道
アルプス展望道路を北上していくと、大岡アルプス展望公園を発見。
この道は何度か通ったことあるけど、気が付かなかった。
公園には小山があって、めちゃくちゃいい眺め。
その横にカフェがあった。
「営 業 中」と大きく書かれてはいたものの、剥がれかけてたので信じらなかった。
確認がてら入り口に接近。
やってた。
中に入ってみると、意外にもなんかいい雰囲気。
(失礼)
外観からは想像できない。
入り口ではご婦人が対応してくれたので、お一人でやってんのかなって思ったら違った。
ハイジのようなお姉さんが登場。
鳥の鳴き声しかしないこの空間にマッチング。
お水を出してくれた時に、「ボトルにもどうぞー」ってピッチャーを持ってきてくれたので、きっとサイクリストがたまに来るのかもしれない。
最高の景色とコーヒーとコロッケバーガーとレアチーズケーキ。
バンズがモチモチ。
レースでゴリゴリ闘争心を、むき出しにするばかりが自転車の楽しみ方ではない。
と、自転車を始めた原点に戻れた。
店内にはたくさんのパンがある。
次回はプリン。
この道は夏でも、下界と温度差があって4月現在、お日様は出ているものの風は冷たい。
でも、あえてもう少し寒い時期、もう少しアルプスに雪が残っているときに、このカフェへ暖まりに来てもいいかもしれない。
冬の薪ストーブの温かさで、より幸せを感じられる。
乗っているだけで楽しい
ピストに乗っている間、常にペダリングについて考えさせられる。
なるべく惰性を使って走らないと苦しくなるから、斜度についても敏感に感じる。
ロードに乗っているだけなら、こんなにも自転車の基本について考えながら走ることはない。
ただ景色を眺めて走るのとは違う。
自分自身を成長させながら、サイクリングできる。
ピストの魅力を最大限に引き出せるコースと景色は格別だった。
関連記事>>>シクロクロスとピストが、ごまかしがきかない理由。
ピストに興味はあるけど、なかなか踏み切れない…
まずは、フラットバー&フラぺピストから始めてみるのも一つの手段。
BIANCHI ( ビアンキ ) ピスト・シングルスピード PISTA NERO SS US Mode
まとめ
なぜ固定ギアに乗るのか
単に回転練習とかペダリングをきれいにするためじゃない。単純に楽しい。
特殊な装備
とくにクイックレリーズ化は、走りを快適にしてくれる。
固定ギアロングライドは格別だった
通常の使い道は短距離だけど、楽しい時間がながくなる。
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