

ピストってバンク(競輪場のようなオーバルコース)しか走っちゃいけないんじゃないの?

そんなことはない
ブレーキさえつければ問題ないし、ペダリングの基礎が身に付くんだ
全然馴染みのないトレーニング方法。
しかし、効率のいいペダリングを身に着けるのに最適。
日本一競輪選手が多い静岡県では、ピストで公道を走ってる姿をよく見かける。
マチュアピストレースが盛んな岐阜や愛知なんかも、珍しくないかもしれない。
普通はバンクといわれる、自転車競技専用のオーバルコースを走る。
すぐにバンクに入れる環境があれば、一番いいけどそうもいかない。
そして何より、敷居が高い。
競輪選手が使うバンクには、一般人には謎のしきたりがある。
筆者もよくわからないが、競輪場と名の付く施設に一人で行くのはおすすめしない。
それでもピスト、つまり固定ギアに乗ることは、めっちゃおすすめ。
そこで、ピストでロードトレーニングするのがおすすめ
しっかりと前後にブレーキをつければ、安全に走ることができる。
止まりたいときは、ブレーキするだけ。
その時、足を止めないだけ。
逆回転する方向に、力を入れてスピードコントロールする必要はない。
いわゆる「バックを踏む」ってやつ。
ブレーキさえつければ、動作は本当にシンプル。
怖くない。
誤解が解ければ、これほどいいトレーニングマシンはない。
ペダリングは単純な運動に見えて、効率を上げるのは難しい。
固定ギアに乗ることで、円運動に沿った力の入れ方を、身に着けることができる。
ペダリングを学ぶ意味
実は複雑なペダリング
ペダルは、ただ回していればいいわけではない。
もちろん前には進むけど、極力ロスを減らさないと、結局大変な思いをするのは自分。
でも、いつも話題になるのは、フレームの硬さがどうのこうの。
100万円の自転車でも、勝手には走ってくれない。
ペダリング効率を上げるのは、車で言う駆動効率を上げるに等しい。
効率のいいペダリングを学ぶことは、自転車を楽しむに必要なこと
決してレース派だけの話じゃない。

ガチ勢じゃないんだから、難いこと言うのやめてよー
効率が上がるということは、楽に走れるということ。
つまりペダリング効率を上げるということは、楽に遠くに行くための手段でもある。
速くなるためだけに、よいペダリングを習得するわけじゃない。
非力だからこそ、効率を上げて最大限に自分を引き出す。
ヒルクライムをするとよくわかる。
ペダリングがギクシャクしていると、傾斜は一定なのにスピードがわずかに上下する。
これは重症。
単純にペダル一回転毎、スピードを回復させるために無駄な力を使ってる。

イメージは「丸く回す」
このイメージを動作へつなげやすいのが固定ギア。
ピストなら、ホイールの動きとクランクの動きが連動してる。
だから、ギクシャクしたペダリングになりにくい。
一方、ロードバイク(フリーギア)は、いわゆる「シャー」ってできる。
だから、いくらでもペダリングロスが生まれる。
ロードバイクだけ乗っていると、ロスが生まれていることすら気付けない。
これはピストに乗らないことにはわからない。
乗れば、必ずわかる。
固定ギア練習の効果が。
街乗りピストの流行
だいぶ前に街乗りピストが流行。
その時乗っていた人って、ほとんどアスリートじゃなかったはず。
きっと初めてのスポーツバイクがピストなんて人もいたかもしれない。
そんな人にも、ピストに乗れてた。
でもロードバイクに乗っている人から、よく聞くのが「ピストは危ない」。
確かに、当時事故は良く報道されていた。
でもそれは、ブレーキをつけていなかったのが多くの原因。
街乗りピストを乗ってた人は、別にスポーツしていたわけじゃなくファッションだったはず。
ロードバイクにスポーツとして乗っている人が、乗れないはずがない。
ただ、ペダルを止めてはいけないというだけ。
この感覚が身体にしみこむまでは、ペダルを止めようとしてビックリするかもしれない。
でも、それは慣れの問題。
補助輪無しで自転車に乗れるようになったのも、慣れの問題。
街乗りピストにファッションとして乗っていた人も、最初はこわかったはず。
でも、慣れただけ。
ロードバイクに乗っている人も同じ。
固定ギアを恐れる必要はない。
ブレーキが無いことと、固定ギアの慣れの問題を、ごちゃまぜにしてはいけない。
関連記事>>>シクロクロスとピストが、ごまかしがきかない理由。
傾斜とスピードの関係

乱れていることに気が付けない
ロードバイクでは、自分のペダリングがスムーズでないことに気が付きにくい。
なぜなら、足を止めても惰性が効く限り前に進むから。
フリーギアなら、簡単にだれでも自転車に乗れる。
その反対に、技術がなくても乗れる。
だから、ペダリングを改善することは難しい
特に顕著なのが、アップダウンが続く場所。
下りから登りに差し掛かり、スピードが変化していくとき。
下りのスピードを生かして、ダンシングしたりシッティングで回転を上げたり。
こういった場面で、ペダリング効率が問われ、その後の疲労度に直結する。
自分の力を100%駆動力に変えることができれば、走りは全く変わってくる。
ただ回しているから、脱することが非常に重要。
惰性の利用に敏感になる
ピストでは登りできつくなっても、ギアを落とすことはできない。
だから、

なるべく惰性を使って登れるところまでは登りたい。
こんな意識が働くようになる。
ロードバイクに乗っていると、惰性を使う優先度は低くなる。
ギアを落とせばいいから。
しかし、自転車の種類とは関係なく、惰性を利用することは疲労軽減につながる。
さらに、固定ギアならクランクは自分の意志とは別に回っている。
ペダルに力を加えることが一番難しい「上死点、下死点」。
固定ギアなら意識することなく円滑に、この難所を通過できる。
勘違いしてはいけないのが、強制的に足を回されるわけではない。
自分で回さないと、まともに乗ることはできない。
ピストなら、クランク周回上で踏み込む位置、引き足に入る位置へ、なめらかに入力できる。
そうなるとチェーンのテンションが一定になり、ペダリング効率が高まることになる。
チェーンのテンションを一定に保つイメージをしながら、べ打リングする。
そうすることで、効率のいいペダリングに近づく。
時間をフル活用
ピストって家を出てから、帰ってくるまで足を止めることはできない。
アップダウンの道もずっと足は回しっぱなし。
100㎞走った時の満足感は、ロードバイクと桁違い。
忙しい社会人レーサーには、超効率的なトレーニングができる
ローラーをやっていれば、もっと効率はいい。
でも、同時に虚しさもついてくる。
楽しいはずの自転車が苦行になってしまう。
乗るなら外。
それでいて、トレーニング効率はピカイチ。
ピストでロードトレーニングなら楽しさと効率を両立できる。
関連記事>>>【安いピスト】5年も乗ったけど大丈夫【中華フレームは侮れない】
ロードトレーニング用ピスト

欠かせない前後ブレーキ
シンプルさがカッコイイ価値観をもつピスト。
でも、ブレーキは確実につけなければいけない。
もちろん、前後共に必要。
ブレーキをつけることで、ピストバイクでいける範囲が広くなる。
ヒルクライムしても、完全なブレーキがあれば下りもトレーニングになる。
ドロップハンドルのフラット部分につけるやつじゃない。
ブレーキブラケットを取り付けて、ドロップ部を握りながらしっかりとブレーキできる状態にする。
中途半端なことをしないのがコツ。
関連記事>>>【ピストブレーキ】完ぺきなブレーキ取り付けで楽しむ固定ギア走行【ないと楽しめない】
購入のポイント

- 前後にブレーキ取付穴があること
- リアエンドにチェーン引き代わりになるねじ穴があること
1:比較的安いモデルにブレーキ取付穴はある。
数多くのモデルにブレーキ取付穴はあるので、探すことに苦労はしない。
2:よく注意して選ぶ必要がある。
写真のようにエンドにねじ穴があることで、ねじを回せばシャフトに当たり、位置決めできる。
一般的なチェーン引きよりも、断然扱いやすい。
ピストでロードワークするなら、専用のホイールを作るのがおすすめ。
ハブの両側にスプロケットが取り付けられるものを選ぶ。
歯数が違うスプロケをつけて、勾配によってホイールを反転させる。
極端に急こう配でないコースを選択すれば、案外どこでもいける。
ピストのどくどくな走行感が病みつきにある。
関連記事>>>【固定ギア】シングルスピードでロングライドは半端ない満足感【カフェに寄り道】
まとめ
ペダリングを学ぶ意味
決して早く走る為だけにペダリングを学ぶわけじゃない
傾斜とスピードの関係
惰性利用は、ロードでもシクロクロスでも生きてくるテクニック
ロードトレーニング用ピスト
高いローラーを買うよりよっぽど楽しめる
