プロレースを見ると、すごく高いケイデンスの選手や、重いギアをゴリゴリ回す選手もいる
いったい何が正しいのかわからない
ケイデンスとは、1分間にクランクが回る回数のこと。
自転車を初めてある程度乗ると、気になってくる問題。
巷では、平地90回転/分、登坂60回転/分と言われている。
はたしてそんな単純なものなのか。
特にいつも一人で走る初心者には正解が分からない。
先行き不安の為、軽いギアでくるくるしがち。
それでも、悪くはないけど適度なケイデンスで走れば、疲れもたまり難い。
ケイデンスを知れば、楽しみの持続時間が長くなる
なんとなく回しても前には進む。
しかし、相当なロスをしているとしたらもったいない。
ケイデンスを最適化できれば、楽にもっと遠くへ行けるかもしれない。
ケイデンスは実に奥が深い。
ケイデンスにつきまとうロスの問題
個人差
巷で言われる平地90回転、登坂60回転はあくまで目安。
ここから大きく外れることはないけど、やはり気持ちよく回せる回転数は人による。
目安から大きく外れることが無い理由。
レース中、集団の中に極端なケイデンスの選手はいない
それぞれ、トレーニングを積んだ選手が集団を形成。
そのような状況でも、だいたいみんな同じようなケイデンスで走ってる。
個人差というのは、その中でもケイデンス高め、低めという範囲。
クリス・フルームが高ケイデンスだからと言って、まねしてはいけない。
初心者と高回転
初心者はケイデンスを上げがち。
重いギアの感覚に耐えられず、すぐに軽いギアへシフトチェンジする。
実は、高回転を維持するのには、テクニックが必要
軽いギア=楽ではない
出典:えふえふぶろぐ
図中の上支点と下支点を通過するときが、一番ペダルに力を加えにくいポイント。
ケイデンスを上げる + 上支点と下支点の通過回数が上がる= ロスの機会が増大
ギアを軽くしケイデンスを上げても、このロスを上回るメリットが出せるか。
単に、「踏んだ感じが重い」だけでギアを軽くすると、トータルではロスになっているかもしれない。
ケイデンスを上げても楽に走るには、上支点と下支点通過時のロスを最小限にとどめること。
つまり、高ケイデンスはペダリングがうまくないと、逆効果になりかねない。
逆に、ペダリングが雑でもごまかしが効くのは、低ケイデンスゴリゴリ系。
でも、ゴリゴリ系は長続きしない。
そこで、適正なケイデンスが必要となってくる。
関連記事>>>【ペダリング効率アップ】ピストでロードトレーニングをおすすめする理由【自転車の基礎作り】
足の重さって考えてる?
盲点
確かに軽いギアだと、一瞬一瞬は楽に感じる。
ペダルを踏んだ感じが軽くて、不快じゃない。
どんなギア比だろうが、とりあえず前には進む。
でも、足単体にも重さがある
サドルを支店として、足を持ち上げる動作がなくてはクランクは回せない。
いわゆる「引き足」
この時、特に引き足を意識してなくても、重力があるかぎり引き上げる動作をしているはず。
平均的な足の重さは12~13㎏。
ペダル1回転毎に片足分の重さを、重力に逆らって持ち上げることになる。
ケイデンスを上げるということは、持ち上げる回数も増やすということになる。
だから、ギアを軽くすると「楽」になるとは言い切れない。
逆に、運動量が増えている可能性だってある。
じゃあ、重いギアのほうがいいねって、単純な話でもないけど。
慣れ
重さには慣れが必要。
重いギアでペダルを回していると、最初は当然重く感じる。
そこから普段使っているギアに戻すと、軽く感じるはず。
野球選手がネクストバッターズサークルで、バットに重りの輪っかをつけて、素振りをしているアレ。
実際には、筋力アップしているわけではないのに、その重さに慣れて回せるようになる領域がある。
常に、軽いギアで走っているとそれに慣れてしまう。
重いギアを受け付けなくなる。
「登りに入ったら、足に負荷がからないギアまで落とす」
決めつけてはいけない。
重いギアに慣れると、案外そのギアでも登れるようになる。
それが短期間で達成すれば、筋力アップしたからではなく慣れたから。
ペダルを回し続けられる、ギリギリの重いギアを探すべき。
回転力とはなにか
誤解
「回転力」って、一分間に何回転まわせるかではない。
本質は、
重いギアをいかに速く回せるか
この課題を達成させるのに、150とか200回転まわせるようにする必要があるかないかは別。
こんな高回転でレースに出たり、ロングライドすることはない。
重いギア(自分なりの)で回しているとき、
- どのような筋肉を使っているか
- 上支点と下支点をスムースに通過しているか
- その時上半身はブレていないか
自分の状態を感じることが大切。
軽いギアをクルクル回すより、重いギアをクルクル回す方が、速くなるのは当たり前。
常に軽いギアでは、ペダリングを考えることもなく、ただ回すことになりやすい。
低ケイデンスで入力ポイントと引き足ポイントを意識する。
上死点、下死点を通過する際に、なるべくなめらかにする。
これらの意識を高める機会を作るのが必要。
無意識でできるようになれば、楽に、遠くに、長く走れることにつながる。
ペダリング改善の練習方法
ピストバイク(固定ギア)に乗ること。
固定ギアだと、下支点からペダルが勝手に上がってくる。
この感覚は実際に乗ってみないと理解が難しい。
ペダルが上がってくる速さよりも一足先に引き上げるようにすると、チェーンへ常にテンションがかかることになる
足を引き上げる速度が遅いと、非常に違和感を感じるペダリングになる。
結局これが、固定ギアにのるとペダリングがうまくなる理由。
ただ乗っているとうまくなるのではなく、自分の欠点がわかる。
ピストは自転車の基本が詰まってる。
関連記事>>>【ピストバイクのススメ】効率のいいペダリングの為にすること【固定ギアは別世界】
すぐに、ピストが用意できなければ、ロードバイクでも練習する方法がある。
重いギアでゆっくり登る
ピストでのトレーニングと比べると効果は遠く及ばないけど、試してみる価値はある。
滑らかに回さないと、スピードが上下する。
ペダル一回転毎にうまく回せているか、考える時間が生まれる。
いままでなんとなく回していただけだったのに気が付く。
まとめ
ケイデンスに付きまとうロスの問題
高いケイデンスは不快に感じないけど、ロスする機会をふやしてしまう。
足の重さって考えてる?
足の重さを考慮しなくては、楽になったことにならない。
回転力とはなにか
速く回せても重いギアでないと、スピードは上がらない。
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