今じゃ、カーボンの特別感は全くないね
逆に、細身のクロモリフレームの方がインパクトが大きい。
そんな古くて、新しいのがクロモリフレーム
自転車は100年前からほとんど形を変えていない。
競技が誕生してからの間、ほとんどの時代で活躍してきたのはクロモリフレーム。
長い間、競技の最先端機材であったクロモリフレームは、現代では通用しないのか。
いや、そんなことはない。
ホビーレーサーにとって、機材の影響なんてほんの僅か。
その僅かな性能差を大きく感じ取って、機材の話に花が咲く。
実際、趣味レベルだったら、速い人は何に乗っても速い。
クロモリからカーボンに変えると、アタックをバンバン決められるとか、そんなはずもない。
だとしたら、フレーム選びの視点を変えて、フルカスタムができるクロモリフレームがおもしろい。
カーボンのように、いわゆる「吊るし」とよばれる、お店の在庫品ですぐ乗れるみたいなヤツがほとんどない。
フルカスタムするのにも、すこし勉強しないと注文すらできない。
フレームビルダーが自分のためだけに作ってくれるなんて、まさに男のロマン。
それにそんな乗り物って、なかなかない。
大量生産品に囲まれて生活している中、
フルカスタムのクロモリフレームはめっぽう愛着が沸く
クロモリって結局、鉄
クロモリフレームの「クロモリ」って
「クロム」と「モリブデン」という物質をスチールに添加したもの(ほかにもいろいろ入っていますが)。
添加の割合は下記の通り。
- 鉄976g(97.6%)
- クロム10g(1%)
- マンガン5g(0.5%)
- 炭素3g(0.3%)
- ニッケル2.5g(0.25%)
- モリブデン2g(0.02%)
- リン・硫黄0.5g(0.05%)
出典:いしやんロード
結局ほぼ鉄。
カーボンフレームの登場
自転車をそれほど知らない人でも、一度は耳にはしたことがあるツール・ド・フランス。
そんな有名なレースでも、余裕で使われてた。
グレッグ・レモンというアメリカのトップ選手が、次々と新しい機材を投入した1990年辺り。
「TVT」というアルミラグにカーボンパイプを接着した画期的なフレームが登場。
その後、
極太肉薄アルミ時代
↓
アルミメイン三角のシートステーのみカーボンのハイブリット時代
↓
現在のフルカーボン時代
これ以前が、クロモリ時代。
ここ最近自転車に興味を持った方なら、信じられないかも。
実はすごいクロモリ
ツール・ド・フランスの総距離。
2019年は3480㎞。
30年程前は約4000㎞。
もっと昔はもっともっと長い。
もちろんピレネーとか、アルプスだって超えた。
その当時のレースに、現代のホビーライダーがタイムスリップして、カーボンバイクで挑んだとしても勝てない。
クロモリフレームはレース機材じゃないなんて、大ウソ
でも、工業の世界は新しいものを作って、売らなければメーカーが食っていけない。
市場も大きくならない。
これが新商品が出る仕組み。
だから、今ではクロモリフレームと言えば、一部の自転車オタクが楽しむもの。
そんな位置付けが色濃くなってる。
価格は20~30万円と言ったところ(もっと高価な工房もあるけど)。
そんなに高いの?だったらカーボンにするよ
そうなってしまうのも無理はない。
でも、原価の内訳の大半はこんな感じ。
- カーボンフレーム→設備費
- クロモリフレーム→人件費
実際、カーボンフレームを作っているのは職人じゃなくて作業員。
すごい設計と、すごい開発をしているんだろうけど、実際に作るのは自転車に何の興味もなさそうな人たち。
淡々とぺたぺたカーボンシートを貼っている姿を見ると、
「やっぱり、ほしいのはこれじゃない」ってなっちゃう。
関連記事>>>【クロモリフォーク】今さらクロモリフォーク選んだその理由とは
クロモリ初心者におすすめするブランド3選
カスタムフレームを製作している工房は、意外にたくさんある。
でも、ベースは競輪フレームを作ってるところが多い。
だから、新しい工作やパイプを使って作ってくれるところは限られる。
その中でも、クロモリ初心者が手をだしても大丈夫そうなブランド3選がこちら。
スチールフレームを骨董品にしないTOYO(トーヨー)
シクロクロスのトップライダー竹ノ内選手が乗るブランド。
スチールフレームで国内レースシーンのトップを走るというドラマを作り続けてる。
決まったサイズの商品もあって、勉強しなくても大丈夫。
元々はOEM工場だけあって、製作本数とか経験値はすごい。
めっちゃオシャレなMADMAN
アメリカンバイクカルチャーに大きく影響を受けている工作で、超おしゃれなバイクに仕上がること間違いなし。
シートステーなんて、じっくり見ていても飽きないぐらい美しい曲線。
でも、作り手のこだわりが強すぎて、好き嫌いが分かれるところ。
関西の老舗ブランド、エクタープロトン
長い歴史があり、信頼度は抜群。
おそらく相当な数を作っている。
ものづくりに一本やりなのが熱い。
Tig溶接が得意なので、比較的軽量に仕上がる。
しかも、他社に比べて割安。
関西のバイクショップが窓口。
関連記事>>>【ロードバイク】シンプルであることは尊い【クロモリ】【非ディスク】
デメリットもたくさんある
まずはデメリットから
ここを理解しないと、いい買い物ができない。
代理店を通す場合も、基本は職人が相手。
それは愛想のいい店員じゃない。
大衆向けの大量生産のカーボンフレームを売っているのとは違う。
作り手にはこだわりがある。
カスタムとはいえ、自分の自由に作るというわけではなく、サイズが自由になるということ。
職人のこだわりと、自分の好みがマッチしたビルダーを選ぶのがコツ。
ショップの店員だと思って接すると、腹が立つこともあるくらい。
重いよ
基本的に軽く作ったら剛性が損なわれるのがクロモリ。
でも、カーボンフレームとの重量差は、前の日に食べすぎちゃったなというぐらいの差。
軽量オタクのヒルクライマーでなければ、気にすることはない。
そうは言っても、カーボンよりは確実に重いのは事実。
出来上がってきて愕然としないように。
ホビーレーサーだからこそ生かせるメリット
サイズが自由になる。
今の不満を解消できる。
ステムを長くしたいなら、今のトップチューブより短く作ればいい。
シートピラーをもっと出したいなら、スロープをきつめにする。
まあ、無理がある形になってはまずいので、基本設計はあるけど。
取り扱いにもメリットがある。
カーボンだと、
壁に立てかけて休憩中
強めの風が吹いてパタンってなって
ポキン…
クロモリなら考えられない。
もし一部がダメになっても、修正やパイプ差し替えなんてこともできる。
例えるなら革製品のように
- 使えば使うほど味わいが出る
- 修理しながら長く付き合える
カーボンフレームには、こんな温かみはない。
関連記事>>>カーボンフレーム不要論…先入観のワナ
「オーダー」じゃなくて「カスタム」
「オーダーフレーム」
これだとアマゾンでポチっと買った意味。
本来は「カスタムフレーム」。
最大の魅力は、カスタムできるところ。
- ヘッドパーツをインターナルにするか、エクスターナルにするか
- シクロクロスだったら、クリアランス確保のためにつぶしを入れる
- ラグドか、ラグレスか
- シートピラー固定方法はバンドか一体型か
まだまだあるけど、こだわったのがココ。
スチールフレームをカスタムで作る場合も、フォークだけはカーボンが一般的。
理由は、重いから。
出来上がったクロモリフォークを持ってみてびっくり。
1㎏…
軽量化に興味はない。
でもあまりの重さに、速攻でSRAM RIVAL アルミクランク装着を中止。
SRAM FORCEのカーボンクランクを発注。
でも、乗ってみるとコラム径1 1/8インチストレートカーボンコラムがなくなった理由がわかった。
カーボンコラムで1 1/8インチのストレートだと完全に剛性不足。
クロモリフォークだと、この径でも全く剛性不足感がない。
こんなに細いのに。
ゴツイ感じを出したくて、フォークの肩は「セグメント」を選択。
でも、これでさらに重くなった説もあり…
そしてヘッド。
要は、普通にヘッドパーツを買ってつける仕様ってこと。
エクスターナル⇔インターナル
ヘッドパーツが内装されているかどうかってこと。
写真は外装で、エクスターナルってこと。
いまでは、ヘッドパーツを別途購入することはなくなったのでインテグラルヘッドも、もはや死語。
クロモリフレームならではのパーツとしてエクスターナルを選択。
エクスターナルにすることで刺し色が加えられる。
ヘッドチューブが異常に短いのは、ハンドルを低くできるように要望した結果。
クロモリフレームカスタムだけの特権。
シートバンドも同色のブルー。
これも、シートバンドにしたいことを伝えないと、ビルダーの好みの仕様になる。
シングルしか取り付けられないチェーンリングとチェーンステーとのクリアランス。
製作する際に、どのパーツを付けるのか聞かれたので、
「SRAMのシングルですねー」と軽く答えたら、まさかの完全シングル仕様。
カスタムバイクって感じ。
無駄のないところがいい。
まとめ
クロモリって鉄です
軽くて強い鉄はない
クロモリ初心者におすすめするブランド3選
ポチっと手に入らないおもしろさ
デメリットもたくさんある
同じ自転車でもカーボンとは生産工程が全く違う
「オーダー」じゃなくて「カスタム」
家と一緒で2台目が理想のフレームになるかも
コメント
Hello, I like your site very much. The content was very helpful. I will visit your site more often now.