自転車乗ってる人って、謎のことば使ってない?
専門用語って、初心者にやさしくないんだよねー
専門用語を使ったほうがほうが、通じやすい場面はたくさんある。
少々とっつきにくいかもしれない。
でも、郷に入っては郷に従え。
どんなスポーツでも、独自の言葉が存在する。
自転車競技も例外ではない。
何のことやらさっぱりわからない用語も存在する。
でも大丈夫。
日本でマイナースポーツの自転車は、みんなともだち。
マイナースポーツだからこそ仲間意識が強い
センパイたちは、ファンを逃してはいけないという心理が働いている。
だから、やさしく教えてくれる。
ここで得た、専門用語をクラブランで実践投入してみたい。
濃いつながりが見えてくる。
「あそこでキレちゃったんだよねー」
集団(2人以上)から遅れてしまうこと
我慢できなくて発狂するほうじゃない方の「キレる」。
めちゃくちゃ頻繁に出てくるフレーズ。
例えば、
みんなのペースが速くて、ちょっとした登りで、集団から離れてしまった。
やっとの思いでたどり着いた休憩ポイントでセンパイから、
「どこで切れちゃったの?」
と言われたら、すかさず
「あの微妙な登りでキレちゃったっす」
という使い方でオッケー。
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「あいつ全然タレないな」
一人で走っていても、極端にスピードが落ちないこと
自転車レースは、人との闘いともう一つは、風との戦い。
向かい風の中を人の後ろについて走るのと、一人ぼっちで走るのでは、力の消費が雲泥の差。
だから、自転車の世界ではスピードを落とさず、一人で淡々と走り続けられる独走力には価値がある。
反対に「タレちゃった」というのは、独走していたのに急減速したことを指す。
レースで初アタックを決めたあとセンパイから、
「すげーじゃん、アタックしてたね」
と言われたら、すかさず
「でもすぐタレちゃったっす」
という使い方でオッケー。
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「もう足なくて…」
何度もスピードUPに反応したけど、結局遅れてしまったこと
足ががどこかに行ってしまったわけではない。
とても広いシチュエーションで使われる用語。
長距離を淡々と走ってきて、終盤に遅れてしまったときでも使える。
「足がいっぱい」=「足がない」
「いっぱい」と「ない」は同じ意味。
「足がいっぱい」は、乳酸がいっぱいというニュアンス。
(乳酸:運動すると筋肉中に発生する副産物で、増えると筋肉を動かしにくくなる)
いつもと違う様子を感じたセンパイから、
「いつもは、ついてこれるのに今日はだめだったね」
と言われたら、すかさず
「昨日もきつい練習で、もう足なかったっす」
という使い方でオッケー。
「やばかった。ハスりそうだった。」
前走者の後輪と自分の前輪が重なりあってこすること
実際に転倒してしまったあと「ハスって転んだ」という使い方も一般的。
初心者が自転車レースで転倒してしまう原因の第一位がハスり。
前走者の後輪と、自分の前輪が重なってしまっている状態。
前走者と、どのくらい近づいているのかは、分かりにくい。
把握するのには、かなり経験を積まなくてはいけない。
前走者、もしくは自分が進路を少し変えただけでハンドルを持っていかれる。
これを防ぐには、集団の動きを注意深く観察すること。
「この人は、右に寄ってきそう」とか雰囲気をキャッチできるようになるのは重要。
練習会で後ろを走っていたセンパイから、
「なんかちょっと挙動がおかしかったけど、大丈夫?」
と言われたら、すかさず
「チョーやべかったっす。ハスりそうでした。」
という使い方でオッケー。
「あそこでカウンターでしょ」
集団から逃げていた人が捕まった瞬間に別の人がアタックすること
「逃げる」「アタック」2つは同じ意味。
集団から勢いよく飛び出すこと。
自転車レースの王道パターンは、集団から飛び出した選手数名を集団が追う展開。
いちいち飛び出す選手に一喜一憂しないのがメイン集団。
メイン集団は飛び出した選手を、フィニッシュラインを通過するまでに捕まえる。
逃げていた選手を捕まえた時、集団がホッとして一瞬スピードが落ちる。
その時に「逃げる」「アタック」することがカウンターアタック。
いつもの練習会でいつになく、積極的に走ってみたあとセンパイから、
「今日は、いいタイミングでアタックしたねー」
と言われたら、すかさず
「マジ、カウンター狙ってたっす。」
という使い方でオッケー。
「今日は引きずりまわしの刑だったな」
力の差があって、ついていくしかなかったということ
キレてしまうほどではないけど、空気抵抗を分散して前に進む先頭交代に加われない状態。
絶妙なスピード領域で、巡行しているということ。
初心者のうちは、このような状況でクラブチームの練習会に参加していることが多いかもしれない。
何度か参加しているうちにスピードに慣れて、引きずり回されないようになる日が来るかもしれない。
いつもの練習会に、めずらしく地元の速い選手が参加したあとセンパイから、
「あんな強い人が来ちゃったからさー、みんな付いていけなかったなー」
と言われたら、すかさず
「まさに、引きずり回しの刑でしたね」
という使い方でオッケー。
「オーイ、誰か引いてくれよー」
集団の先頭に立って風よけになること
自転車は風との戦い。
だから、空気抵抗を少しでも減らすためにエアロなものが売り出されてる。
「エアロ」は「エアロダイナミクス」のこと。
エアロダイナミクスが優れているほど、空気抵抗を減らせる。
しかし、エアロフレームにしたところで体感できるわけじゃない。
だから、エアロで固めても集団の先頭に出るのはキツイ。
みんなが消極的なら、どんどん集団のスピードは落ちていく。
普段ならグイグイ先頭を引くセンパイが、今日は全然集団の前に出てこない。
そんなときはセンパイに、
「ちょっ、引いてくれないっすか?」
という使い方でオッケー。
「オゥ、ごめんねー。昨日の酒が抜けてないみたい」
という回答があったら通じてる。
「ツキイチでお願いします」
先頭に出ないということ
月一回という意味じゃない。
練習会であれば、先頭交代をしながら走るのがふつう。
しかしツキイチを宣言すると、ずっと後ろで走ることを意味する。
これは、走りの輪を乱すことになりかねないので注意が必要。
例えば5人で先頭交代していて、突然前に出るのをやめる人がいたとする。
先頭役を終えて後ろに下がってきた人は、先頭交代に入る意思を探らないといけなくなる。
こうならないために、先頭交代に入れそうもなかったらセンパイに、
「今日はツキイチで、おなしゃす!」
という使い方でオッケー。
「あれ?昨日の酒が抜けてないの?」
という回答があったら通じてる。
「あっ、ローテに入れません」
がんばって先頭交代に入ってたけど、もう無理ということ
「ローテ」はローテショーンのこと。
「ローテーション」は先頭交代のこと。
ローテに入ることこそ、ロードバイクに乗る醍醐味。
ひとりで走るよりはるかにスピードがでる。
それは空気抵抗を仲間と分け合えるから。
ひとりで走ったことしかければ、勇気を出して地元クラブチームの練習会に参加してほしい。
楽しさが何十倍にも広がる。
ローテーションに入ってみて、がんばったけど「足がなくなって」先頭に出られなくなった時、センパイに、
「もう足ないんで、ローテ入れないっす。」
という使い方でオッケー。
「あれ?二日酔い?」
という回答があったら通じてる。
「シッティングでいけた」
サドルに座ったまま乗り切れたということ
「ダンシング」はまずます浸透している.
でもサドルに座ってペダルを漕ぐことは、当たり前すぎて話題にならない。
「ダンシング」の対義語が「シッティング」。
ダンシングフォームの良し悪しは、センスのあるなしが大きく影響する。
シッティングもサドルのどこに座るとか、背中の曲がり具合など奥が深い。
初心者は、どうしてもダンシングをしない傾向にある。
ダンシングの練習を優先すべきだけど、省エネ走法であるシッティングを磨くことも大切。
先輩に自分の成長を報告する時、
「あの激坂、シッティングでクリアできちゃいました」
という使い方でオッケー。
「マジすげーな。俺はあんな激坂、行かないけどね」
という回答があったら通じてる。
まとめ
なじめない専門用語も、仲間を見つけて走ることで重要なコミュニケーションツールになる。
ロングライドのような一人で走るスタイルが注目されがち。
しかし、自転車は空気抵抗を仲間と分け合うことで、劇的におもしろくなる。
専門用語を理解して、クラブランに参加すれば自転車の可能性が無限大に広がる。
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