【ピストバイクのススメ】効率のいいペダリングの為にすること【固定ギアは別世界】
固定ギア
2020.09.28
ピストってトリックとか街でよく見かけるやつでしょ?
この記事は街乗りピストじゃなくて、競技用のピストのこと
ピストがペダリング改善に役立つことは、古くから言われている。
ツール・ド・フランスに次ぐ規模で開催される、イタリア一周レースの「ジロ・デ・イタリア」。
1990年の同レースで、総合50位をたたき出した市川正敏氏が雑誌でピストを勧めていた。
「冬はロードバイクに固定ギアのホイールを取り付けてトレーニングするべき」
(リアハブの改造方法まで書いてあったような気がする)
自分の力を100%引き出すことは案外難しい。
心肺機能が高いのに、メンタル面でブロックしてしまうことがほとんど。
さらに、ペダリング技術面でのロスも大きい。
高校や大学でピストに出会わない限り、大人の趣味として不人気なピスト。
ところが、自転車の基本が詰まった完璧なトレーニングマシン。
電動シフトや高級サイコンを買うぐらいなら、ピストバイクを検討すべき。
そんなものを買ったところで、大した変化はない。
- レバーがボタンになるだけ
- 画面の中にいろいろ表示できるようになるだけ
自転車を速く、快適に乗れるようになるにはペダリング矯正が重要。
さらに固定ギアのダイレクト感は、乗り物として単純に楽しい。
電動シフトを揃えられる予算があるなら、ピストなんて余裕で買える。
固定ギアの楽しさを知らない自転車ライフなんてもったいない。
固定ギアはそう簡単に回せない
ペダリング原則
様々なペダリング理論が存在する。
引き足を使わないペダリングも、提唱されている。
しかし、ここではトラディショナルなペダリング理論を取り上げる。
- ぺダルは丸く回せ
- 上死点、下死点の通過を滑らかに
- 膝を高く保て
上記をきちんとできるようになると、チェーンのテンションが一定に保たれる。
テンションが一定でないとすると、スピードに落差が生じる。
この点が、力の伝達をするのに非効率な理由。
フリーギアでは一生気付けない
フリーギアは、ロードバイクのようにペダルを止めてもホイールは回り続ける。
リアハブの中にラチェットが入っているため、この動作を実現できる。
動画で説明があるように、ペダルに一番力が入れにくいポイントをどう通過するか。
なめらかに通過できれば、チェーンのテンションは保たれて、伝達効率が上がる。
たしかに、その通り。
しかしフリーギアは、この難しさをなくした画期的な構造
だから、フリーギアに乗っている限り、チェーンのテンションがどうのこうのは、非常にわかりにくい。
上記の理由で、フリーギア(ロードバイク)は、ペダリングを改善するのに難しい。
固定ギアとはなにか
究極の高伝達率
文字通り、ギアはハブに固定されている。
だから、ホイールの動きとクランクの動きは同じ。
ホイールを前後に回転させると、クランクも前後に動く。
- ということは、ペダルに力を入れにくいポイントを通過する際も、クランクは同じ速度で回る
- ということは、ホイールも同じ速度
- ということは、ロスがない
クランクの動きと、自分自身のペダルを回す動作が一体化することで、理想のペダリングが完成する。
ロスが無い理由は、ほかにもある。
- リアメカが無い
- チェーンの屈曲箇所が少ない
- チェーンが短い・太い
フレームの違いによる、反応の良し悪しのレベルではない。
たとえば、スプリントしたときの進み具合が全く違う。
力がダイレクトにホイールに伝わることがよくわかる。
ロードバイクとは、走行感が全くの別物。
ダイレクト感が格別。
ギア付きフリーギアの構造自体が、ロスの原因出ることがよくわかる。
それに付け加えて、自分のペダリングで推進力をロスしたくない。
トラック選手のペダリング
ペダルを回す能力の高さと、高い出力が一体にならないと出せないスピード。
ほぼ同じ体形なのが、ボディービルダー。
同じ出力を出せてもペダリング技術がないと、このスピードはでない。
トラック選手がロード選手に転向することは、少なくない。
元トラック選手が、比較的すぐ結果を出せるのは、基礎がしっかりしているから。
逆に言うと、基礎がしっかりしていないと、ピストバイクは乗りこなせない。
フィジカルトレーニングばかりに気を取られがち。
スキルを上げることも忘れずに。
ピストにただ乗っているだけでは、改善は難しい
でも、ピストに乗れば、正確なペダリングが出来ていないことを把握できる。
そして、それを直すことに意識を向けられる。
やがて違和感なく乗ることができれば、それは改善された証拠。
初めて自分の力を発揮できる状況が整う。
関連記事>>>【重いギアを軽く回したい】本当に軽いギアは楽なのか?【軽いギアの落とし穴】
トレーニング用と割り切るピストバイク
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あくまで、トレーニングとしてのピスト選び。
安いので十分。
高額なロードバイクパーツを買う計画があるなら、是非とも検討してほしい。
- 電動シフト化しても、速くなるわけではない
- 高額なサイコンがあっても、結局表示されるものは数字や地図
- 新しいカーボンバイクは、だいたいみんな同じ形で、だいたいブラックで代り映えしない
投資するならワクワクするものにしたい。
固定ギアは、普段の道を劇的に楽しくさせる。
この新感覚は、自転車ライフを劇的に変える。
平凡なアップダウンコースが、魅力的なコースに感じる。
しかも、ペダリングが改善されロードバイクに乗った時、成長した自分が見られる。

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まとめ
固定ギアはそう簡単に回せない
ペダリングは簡単に見えて奥が深い
固定ギアとはなにか
予想をはるかに超えてくるおもしろさがある
トレーニング用と割り切るピストバイク
トレーニング用だからやすいやつでいい。でもめちゃくちゃ楽しくなる。